#056 「株式会社 ドワーフ」代表
合田 経郎さん
公開:2011.06.01
キャラクターが手をつなぐだけで
伝わるメッセージがある
ドラえもん、スヌーピー、ピカチュウ、ミッフィー、トーマスなどなど…。子どもたちに大人気のキャラクターが、作品の垣根をこえて手をとり合う「てをつなごう だいさくせん」。この感動的な企画を形にしたのが、NHKでおなじみのどーもくんを生み出した合田さん。震災にあたり、何か子どもたちのためにできることはないかと考え、行動を起こしたそうです。
「見てもらって、穏やかな気持ちになってもらうのがキャラクターの仕事。もしかしたらキャラを世に生み出しているクリエイターはみんなそう思ってるのではないか? と、まずリラックマの作者・コンドウアキさんに問い合わせたんです。そしたらすぐ賛同してくださって…。直後に企画書を作って、思いつくかぎりの会社に送りました。みなさん主旨を理解してくださり、一生懸命動いてくれたおかげで、現在第5弾で、40キャラクターに参加してもらっています」
公式HPに画像が公開中で、これまで子どもたちへの支援物資の中に同封されたり、宮城県名取市のセレモニーで使われたりしました。
「言葉で多くを語らなくても、“この子たち”が手をつなぐだけで伝わるシンプルさがあるのかなと。これを見た子どもたちが喜んでくれたら何よりうれしいですね」
キャラクターを「子」という表現からは、キャラクターへの愛情がにじみ出ているよう。『どーもくん』などの作品群を見ると、ほっこりするのも、この優しさがあればこそなんでしょうね!
「どーもくんを作った当時、CM会社にいたのですが、急遽NHK-BS10周年記念イメージキャラクターに応募することになって。翌日が社内コンペなのにまったく思い浮かばず、夜中3時頃まで悩んで、もう無意識の状態で手だけ動かしてたんです。その時ポロリとできたのが、どーもくんの原型でした。今のところ、自分でもキャラ作りの法則はわかってないんですよ(苦笑)。他のキャラも、『友達になれそう』『自分は好きだな』という感じで作っています」
1日かけて撮れるのは5秒。
ハードだからこそ、仕事は楽しく!
合田さんが生み出した“子ども”の一人、こまねこの観光案内板は、新江古田駅に設置されています。「人形アニメを、アニメーションの仲間として認めてもらえてうれしい」という合田さんですが、そもそも人形アニメの世界に入ったきっかけは?
「小さい頃からマンガを描くのは大好きで。父親が印刷会社勤務だったので、紙をたくさん持って帰るんです。その裏にぐりぐりと描いてました。こま撮り映画に出会ったのは高校の時。先輩から『視力は?』って聞かれて『1.2です』って答えたら、『じゃ、お前は目がいいからカメラマンね』と決められてしまいました(笑)」
かわいい人形と手作り感あふれる映像からは想像できないほど、撮影はハードです。1日13時間撮って、できるのはたった5秒! 1週間かけても30秒しかできない。それでも人形アニメを撮り続ける、その魅力とは?
「自分の考えた世界観にあわせて、各担当スタッフが人形・背景・小道具などを作る。それでファインダーを覗くと、何もなかったスタジオに、その子たち独特の世界が存在して…それが楽しくて、ずぶずぶとハマりました」
「撮影で一番気をつけていることは、“楽しく仕事すること”ですね。一人の作業ではないので、一緒にいるスタッフの顔色を見て、疲れてたら声をかけたり、ギャグを言ってみたり(笑)。人間の手で作るからこそ、楽しさが映像に表れると思うんです。この子たちが、絵本のように、世代を超えて長く愛されたらうれしいです」
自然体で優しい雰囲気の合田さんに、思わずこちらも癒されました。合田さんのお人柄と、愛情をもって楽しく作る姿勢が相まって、あたたかいキャラクターが生み出されるのだと確信いたしました!
伝わるメッセージがある
ドラえもん、スヌーピー、ピカチュウ、ミッフィー、トーマスなどなど…。子どもたちに大人気のキャラクターが、作品の垣根をこえて手をとり合う「てをつなごう だいさくせん」。この感動的な企画を形にしたのが、NHKでおなじみのどーもくんを生み出した合田さん。震災にあたり、何か子どもたちのためにできることはないかと考え、行動を起こしたそうです。
「見てもらって、穏やかな気持ちになってもらうのがキャラクターの仕事。もしかしたらキャラを世に生み出しているクリエイターはみんなそう思ってるのではないか? と、まずリラックマの作者・コンドウアキさんに問い合わせたんです。そしたらすぐ賛同してくださって…。直後に企画書を作って、思いつくかぎりの会社に送りました。みなさん主旨を理解してくださり、一生懸命動いてくれたおかげで、現在第5弾で、40キャラクターに参加してもらっています」
公式HPに画像が公開中で、これまで子どもたちへの支援物資の中に同封されたり、宮城県名取市のセレモニーで使われたりしました。
「言葉で多くを語らなくても、“この子たち”が手をつなぐだけで伝わるシンプルさがあるのかなと。これを見た子どもたちが喜んでくれたら何よりうれしいですね」
キャラクターを「子」という表現からは、キャラクターへの愛情がにじみ出ているよう。『どーもくん』などの作品群を見ると、ほっこりするのも、この優しさがあればこそなんでしょうね!
「どーもくんを作った当時、CM会社にいたのですが、急遽NHK-BS10周年記念イメージキャラクターに応募することになって。翌日が社内コンペなのにまったく思い浮かばず、夜中3時頃まで悩んで、もう無意識の状態で手だけ動かしてたんです。その時ポロリとできたのが、どーもくんの原型でした。今のところ、自分でもキャラ作りの法則はわかってないんですよ(苦笑)。他のキャラも、『友達になれそう』『自分は好きだな』という感じで作っています」
1日かけて撮れるのは5秒。
ハードだからこそ、仕事は楽しく!
合田さんが生み出した“子ども”の一人、こまねこの観光案内板は、新江古田駅に設置されています。「人形アニメを、アニメーションの仲間として認めてもらえてうれしい」という合田さんですが、そもそも人形アニメの世界に入ったきっかけは?
「小さい頃からマンガを描くのは大好きで。父親が印刷会社勤務だったので、紙をたくさん持って帰るんです。その裏にぐりぐりと描いてました。こま撮り映画に出会ったのは高校の時。先輩から『視力は?』って聞かれて『1.2です』って答えたら、『じゃ、お前は目がいいからカメラマンね』と決められてしまいました(笑)」
かわいい人形と手作り感あふれる映像からは想像できないほど、撮影はハードです。1日13時間撮って、できるのはたった5秒! 1週間かけても30秒しかできない。それでも人形アニメを撮り続ける、その魅力とは?
「自分の考えた世界観にあわせて、各担当スタッフが人形・背景・小道具などを作る。それでファインダーを覗くと、何もなかったスタジオに、その子たち独特の世界が存在して…それが楽しくて、ずぶずぶとハマりました」
「撮影で一番気をつけていることは、“楽しく仕事すること”ですね。一人の作業ではないので、一緒にいるスタッフの顔色を見て、疲れてたら声をかけたり、ギャグを言ってみたり(笑)。人間の手で作るからこそ、楽しさが映像に表れると思うんです。この子たちが、絵本のように、世代を超えて長く愛されたらうれしいです」
自然体で優しい雰囲気の合田さんに、思わずこちらも癒されました。合田さんのお人柄と、愛情をもって楽しく作る姿勢が相まって、あたたかいキャラクターが生み出されるのだと確信いたしました!
(2011年6月1日更新)
合田さんの呼びかけで集った
キャラクターたち。
「てをつなごう だいさくせん」
「表情がシンプルなので、
観た人が解釈してくれるのが、
どーもくん」と語る合田さん
(C)NHK・TYO
NHKの連続テレビ小説
「ウェルかめ」のマスコット
かめっ太くん
(C)NHK・dwarf
絵本『なまいきヴォルク』
の主人公・ヴォルク
(C)dwarf/SCP/MCA
劇場長編アニメ
「こま撮りえいが こまねこ」。
撮影には9ヶ月かかったそう
(C)TYO/dwarf・
こまねこフィルムパートナーズ
大江戸線「新江古田駅」に
設置された「こまねこ」の
観光案内板
少しずつ手で動かして撮影。
文字通り手間ひまを
かける作業風景
小学生の頃、住んでいた
東久留米市から大泉学園の
東映撮影所まで自転車できて、
こっそり中を覗いた経験が…。
「子ども心にワクワクした
冒険でした」と合田さん
会社の玄関ポストは
特製どーもくん!
1967年、練馬区上石神井出身。アニメーション作家。日本映画学校卒業後、CM会社に就職。NHKイメージキャラクター「どーもくん」の製作をきっかけに、2003年独立。株式会社ドワーフを設立、貫井にスタジオを構える。こま撮り作品を中心に、イラスト、絵本など、各方面で活躍中! 代表作は「どーもくん」「こまねこ」「まくまくん」「かめっ太」など。中村橋駅から会社まで、10分ちょっとのルートを気分に合わせて変えるのが楽しいそう。スタジオから徒歩20秒の居酒屋・越後福助、焼肉屋・慶尚によく通っているとのこと。
株式会社ドワーフ
株式会社ドワーフ